Sudbury Schools インタビュー

読み、書き、計算

○アンソニー・ビューリク(スタッフ ディアブロ・バレー・スクール)

  この特別な学校でスタッフとして働いていると、「この子たち8才、9才、10才だけど、あんまり読むのが上手くない」って思ったことも何度もある。でも、それで何が問題なの?

 

○ベン・シェパード(17才 ブルービン・サドベリー・デモクラティック・センター・オブ・ラーニング)

  僕は一番下の弟がずっとサドベリー・スクールにいることが誇りなんだ。だって彼が生まれたのは僕が通っているサドベリー・スクールが始まる3日前だから。あいつはもう7才なんだけど、今読み方を覚えていて10や20まで数えられるよ。そんな算数みたいなことって、人に教えられる必要なんてないんだ。あいつたちはお菓子とかを買いたいんだし、教えられなくても大丈夫だよ。

 

○アンソニー・ビューリク(スタッフ ディアブロ・バレー・スクール)

  僕たちの学校にはとても小さな年齢でやって来る子たちがいるけど、そういう子たちは最初は読み方を知らないんだ。5才とか6才とか7才なんだけど、もともとは読み方を知らなかったり、今読み方を覚えていたりして、あまり字を読むのは上手くなかったりする。そんなとき一般の人は彼らを見放して、「なんてことだ!この子は6才か7才なのに字も読めないなんて! この子の人生はもう終わりだ」って言ったりする。

 

 でも興味深いのは、そういう子たちが僕たちの学校やコミュニティに来て、学校の中を歩き回ったりして、すると壁にいろんな印刷物が貼ってあるよね。すると彼らは当然のようにその張り紙に興味を持つんだ。

 

 それに周りにいるほかの子たちはその張り紙を見て何が書かれてあるか理解しているんだよね。そういう子たちは前には自分が分からなかったことが今では分かっているんだ。例えば、開催される授業についてその子たちは前には分かっていなかったけど今では分かるようになっている。金曜日に校外見学があるなんて分からなかったけど今では分かるようになっている。委員会に罰金を払わなきゃならないということも前は分からなかったけど今では分かる。料理に興味があってそのためのミーティングをもちたいと思っているグループがあることも前なら分からなかったけど今では分かる。

 

 そういうまわりの子どもたちを学校に来たばかりのもっと小さい子たちが見て、「ワーッ、あのお兄さん(お姉さん)って字が読める!僕(私)も読めるようになりたい!」って思うんだ。そんな動機でその子たちも字の読み方を覚えるようになるんだよ。

 

○ケリー・サピーア(生徒 14歳 エルサレム・デモクラティック・スクール)

  私の弟は既存の学校で言うと一年生のときからサドベリースクールにいるんだけど、彼は英語の読み方も算数も、・・・それにヘブライ語の読み方も知っている。それって、そういった英語や算数やヘブライ語だったりに出くわさないほうが難しいからなの。

 

○デヴィッド・シュナイダー-ジョセフ(卒業生 グリーンウッド・サドベリー・スクール)

  読むなんていう、すべての人にホントに大切なことに関係するものはまわりにたくさんあるんだ。字を読むっていうことが大切な理由は、人がすることのすべては字を読むこととつながっているからだよ。だから字を読むことの価値に気づかないなんてありえないし、人が生きていく中でいつまで経っても読みたいと思わないということもありえないんだよ。

 

○アンソニー・ビューリク(スタッフ ディアブロ・バレー・スクール)

  それに、読み・書き・計算というのは僕たちのコミュニティの一員になるのに必要だから、子どもたちはいつかの時点でなんらかの方法でそれらのスキルを得ていくんだ。

 

○マイケル・サピーア(生徒 16歳 エルサレム・デモクラティック・スクール)

  他のサドベリースクールでもそうなんだけど、子どもたちは長い期間の間で必ず読み方を覚えるようになるよ、

 

 

Q: 読み書きの方法を学ぶということについて他の子どもについてあなたは何を見てきたの? 子どもたちはどうやってその方法を学んだの? 本当に子どもたちみんなが学んだの?

 

○セス・サドフスキー (卒業生 サドベリー・バレー・スクール)

  みんな読み書きを身につけるよ。

  どうやってかは分からない。本当に何も知らないんだ(笑)。でも、読み書きを身につけない子っていないんだ。

 

 

Q: どうやって子どもたちは字の読み方を覚えるの?授業で学んでいるわけではないのに。

 

○ケリー・サピーア(生徒 14歳 エルサレム・デモクラティック・スクール)

  わからないわ(笑)。

 

○マイケル・サピーア(生徒 16歳 エルサレム・デモクラティック・スクール)

  彼らがこの学校に来たときは読み方を知らないんだ。それで一年後には・・・

 

○ケリー・サピーア(生徒 14歳 エルサレム・デモクラティック・スクール)

  最初の年の初めに字の読み方を知らない5人の子どもがいたの。それで彼らは今では読み方を知っている。彼らがどうやっていつそれを身につけたかはわからないわ。でも彼らはそれを学んだの。だから私たちは彼らに干渉したりしない。

 

 

Q: その子達自身は自分がどうやって学んだかわかっている?

 

○ケリー・サピーア(生徒 14歳 エルサレム・デモクラティック・スクール)

  さあ。

 

○マイケル・サピーア(生徒 16歳 エルサレム・デモクラティック・スクール)

  知ってるかもね。でも誰もそんなこと彼らにたずねたりしないよ。

 

○ケリー・サピーア(生徒 14歳 エルサレム・デモクラティック・スクール)

  あの子たちはそれで満足しているし、彼らのやり方に干渉する必要なんてないでしょ?

 

○キャシー・ブラッドフォード(10才、生徒、プレイン・セイジ・サドベリー・スクール)

  人は読み方を小さいときにすぐに学ぶ必要ってないと思う。学校で学ぶ子もいるし、本を読もうとして学ぶ子もいるし、ぜんぜん違うやり方で身につける子もいる。私はインターネットで覚えたの。だってインターネットをいつも見ていてあるサイトに行ってたんだけど、何も読めなかったし、他の人がいつも私に何か送ってくれても読めなかったの。だから読むことにトライしてみた。そうやって読み方を覚えたわけ。

 

 読み方を身につける方法はいろいろあるし、自分に合った方法で人は学ぶことができるのよ。私はコンピューター・ルームによく行っていたし、コンピュータを使うのが上手だから、それに関わることは誰にも教わっていないわ。コンピュータの授業も取っていないし、読み方の授業もとっていない。

 

○エヴリン・ハーデスティ(スタッフ ディアブロ・バレー・スクール)

 「ピア・グループ・プレッシャー」(仲間内のプレッシャー)っていう言い方があるでしょ。「子どもたちは仲間同士のプレッシャーでドラッグに手を染める」っていつも言われたりする。

 

 でもそのプレッシャーっていい方に働くこともあるの。わたしの6才の子どもは字を読んでいるまわりの他の人たちを見ているし、自分も字を読んでいる。彼女は自分が人生で成功したいと思っていて、字が読めることは成功するために必要なことだと彼女は信じているの。

 

 彼女はまわりの人たちが歩き回っておしゃべりしているのを見ているし、どうやってそういうことをするのか彼女に教える必要はなかった。同じように、まわりの人が字を読んでいるのを彼女は見ているから、字の読み方を教える必要はなかったの。

 

○アンソニー・ビューリク(スタッフ ディアブロ・バレー・スクール)

  子どもたちが算数や読み書きといった基本的なスキルを学ぶことに関しては僕は心配していない。なぜならサドベリースクールのような環境ではこの三つのスキルだけがとても価値があるからね。これらのスキルで人は以前にはできなかったことをできるようになるんだ。

 

○エヴリン・ハーデスティ(スタッフ ディアブロ・バレー・スクール)

  私の子どもは読み方を覚える幼児用の本を手にとって、私たちに手助けを頼んで読みを覚えたわ。でもテレビのコマーシャルを見ても読み方を習ったの。他にも、友だちの影響とかね。友だちが「私は読み方を知っているわ」って言って、すると彼女も「ワッー! 私も読み方を知りたい」って言うの。あとコンピュータも。彼女はゲームをたくさんしているけど、そこには文字がたくさん出てくるし、とくに小さい子どもたちには一種教育的な効果があるの。それでゲームは売れるようなものになっているんだけど。そうして結局伝統的な学校にいるのと同じで彼女は字が読めるのよね。

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